よくある質問の中に「ベビーセンサーは何歳(いつまで)使用したらいいですか?」というものがあります。ベビーセンサーの使用期間において明確な定義がないため、ベビーセンサーの使用を検討指定しているご両親は疑問に思われる事が多いです。
ベビーセンサーに使用期間を設けるにあたり、SIDSが何歳(いつまで)発生するか知らなくてはなりません。
SIDSとは乳幼児突然死症候群の略称で、元気で体調も悪くなかった赤ちゃんが、突然死亡してしまう恐ろしい病のことを言います。
ちなみにSIDSを窒息と勘違いしている人が多いですが、SIDSは死亡状況および解剖検査をしても原因が見当たらない突然死のことをいいます。つまりSIDSは誰も予見ができない、予防法が見つかっていない病なのです。
SIDSはどんな赤ちゃんでも起こりうる病
SIDSは厚生労働省の喚起やマスメディアにより、近年注目され始めました。後ほど紹介する発生率を低くするポイントの実践によって、犠牲者は年々下降していますが、平成29年度は77名の赤ちゃんがSIDSが原因で亡くなっており、0歳児の死亡原因4位となっています。
ただし、SIDSと認定されるには解剖をしなくてはなりません。日本では解剖を望む親は少ないため、実際にSIDSで犠牲になっている赤ちゃんは、現状より多いと思われます。
SIDSは何歳(いつまで)気を付ければいいの?
SIDSの基準として何歳以降は安心という明確な定義はありません。日本では4,000人に1人発生するといわれていて、ほとんどは生後2か月~6ヶ月に集中しますが、まれに1歳以上でも発生が確認されています。
アメリカの場合、生後2週間~1歳までの最も高い死亡原因であり、2000人に1人の割合で亡くなっています。明確な年齢定義はありませんが、2歳まではSIDSの危険を頭の隅に入れておいた方がよいです。1歳以上で発生したSIDSの症例をまとめてみました。
実際にあった1歳以上の症例
・お笑い芸人の板尾創路さんの長女が1歳10ヶ月の時、突然意識を失い亡くなりました。後程、死因を調べたところSIDS(乳幼児突然死亡症候群)と判明。
・歌手のYUKIさんの長男が1歳11ヶ月の時、SIDS(乳幼児突然死症候群)で亡くなりました。朝起きたら亡くなっていたことをご自身のHPで報告されました。
・都内の認可外保育園でうつぶせに寝していた1歳2ヶ月の男の子が、2016年3月11日になくなりました。死因について調査中ですがSIDSが疑われています。
保育施設では平成20年~24年の5年間で、50名の乳幼児が睡眠中に亡くなりました。年齢別では6ヶ月未満18人、7ヶ月~1歳未満15人、1歳12人、2歳5人と1歳以上の乳幼児でも17人が睡眠中になくなっている計算です。
全てがSIDSではなく、亡くなった乳幼児の多くが入園直後だったので、ストレスや感染症などが原因のケースもあります。
この結果を踏まえて、保育施設では1歳未満ではなく3歳未満の乳幼児は注意が必要という認識を持っています。
ベビーセンサーは2歳まで使用がベスト
厚生労働省では、下記の3点をSIDSの発生率を低くするポイントとして喚起しています。
- 1歳なるまでうつぶせ寝にしない
- 出来るだけ母乳で育てる
- タバコはすぐにやめる
赤ちゃんの温めすぎもSIDSの原因ともいわれています。
しかし、仮に上記のSIDS発生率を低くするポイントを全てやってもSIDSが発症してしまうケースがあります。
そのため、赤ちゃんの無呼吸状態を監視できるベビーセンサー使用を、推奨している自治体が増えてきました。あくまでもSIDS防止または早期発見と蘇生機会の提供のための補助機器にはなりますが、何もしないより十分効果があります。
では、家庭用で実際に流通しているベビーセンサーは、何歳まで使用できるのでしょうか?
ベビーセンサーの使用可能年齢
2019年3月時点では、家庭用のベビーセンサーは当社を除くと海外メーカーのみです。対応年齢は機種によってことなりますが、「医療機器センサーマット型B社は1歳まで」「センサーマット型A社は2歳まで」「腹部接触型S社は制限なし」です。
S社はお腹に接触させる接触型ベビーセンサーなので、大人でも使用することができます。非接触型の2種類についてはベビー用に感度を強く設定しているため、荷重量がかかると誤作動の危険を考慮し、年齢制限があると推測できます。
年齢制限以外でも2歳以上は寝返りが激しくなるため、センサーマット型では範囲外となりやすいです。接触型のS社の場合は、寝返り以前に装着を嫌がる赤ちゃんもいます。また接触型ベビーセンサーは赤ちゃんがうつぶせ寝の体勢を取った時、センサーが下となり赤ちゃんと接触が外れてしまい警報アラームが頻発しやすいです。
本来は2歳台までベビーセンサーを使用したいところですが、現状はなかなか難しい状況です。
ベビーセンサーBaby Aiは大人でも使用可能
弊社の製品「ベビーセンサーBaby Ai」は耐荷重90kgまで体動から推測した呼吸数をモニターできるため、大人でも使用できます。
元々、介護用として開発していた技術を応用しているため、耐荷重はクリアしていましたが、感度については感度調整機能をつけることによって問題をクリアすることに成功しました。
マット一体型のため、敷けばそのままマットレスとしても使用可能なセンサーマットは、赤ちゃんが多少寝返りしても問題ないよう「60cm×90cm」(一般的なベビーマットレスの小サイズ)と他のベビーセンサーと比較して倍以上の面積となっています。
ベビーモニターに関して
本記事ではベビーセンサーの使用期間に関してご説明しましたが、たまに「ベビーモニター」と「ベビーセンサー」を混同してしまう方も多いです。
「ベビーモニター」と「ベビーセンサー」は子供の睡眠を見守るという点では同じですが、弊社の考えでは、使用場面が大きく異なります。
ベビーモニター|遠隔モニターで睡眠時の赤ちゃんの動きをモニターする
→親が起きているお昼寝等を想定された製品
ベビーセンサー|マット装置や接触装置を使い体の動きや呼吸をモニターする
→赤ちゃんが寝ているすべての場面で見守ることを想定した製品
現状、発売している製品は上記のような違いがあると考えています。赤ちゃんの見守り製品は用途に合わせてご検討ください。